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夕日を追って。<桃源紀行 no.10>

執筆者の写真: te to ba <手と場>te to ba <手と場>

・・・

10月に放送予定のNHK BS プレミアム 「桃源紀行」のロケを通じて経験させてもらったこと

改めて知ることができたことを私なりに少しづつまとめています。

気づけばもう残り数日分しか残っていません。

1日1日が濃かった毎日でしたので最後まで備忘録を綴ろうと思います。

・・・

新上五島から帰ってきた翌日は

富江での撮影でした。

そうte to baでの撮影。

大工さんに普段お願いしていることをちょっと挑戦させてもらったり

打ち合わせしたり

そんな撮影をさせてもらいました。

あとは富江商店街の中での撮影。

午前中は野菜を売りに来るおばさんや

買い物客で賑わっているため

その雰囲気の中を歩く撮影をしました。

知り合いに会ったり、知らないおばちゃんにオクラをもらったり(笑)

そんな楽しい撮影のあとは・・・

ロケが始まって6日目にして、

撮影クルーに大打撃を与えてしまった撮影になりました。

文字にしてしまうととても簡単なことなのですが

自分が今回の「桃源紀行」で伝えたいことを

笑顔でカメラに向かって・・・いや、カメラの向こう側の見てくれている人に向かって

お話すれば良いだけだったんです。

今・・・こうやって備忘録を書いていたら

なんであんなに時間をかけてしまったのかわかりません。

炎天下の8月23日。

take 50回を超えたのでは・・・?と思うくらい

カメラマン・音声さん・ディレクターさんを疲弊させました。

ご め ん な さ い

自分の不器用ぶりに

この時まで気づいていませんでした。

人前でマイクを持って話すこと・・・慣れてました。

緊張なんてしません。

けれどなぜ今回できなかったんでしょうか。

まずセリフが覚えられないことから始まり

(たった数行。結婚式の司会などでは、一連の工程をほぼ丸暗記するのに・・・)

カメラを見て笑えないこと

心を込めて言えないこと

全てがダメダメでした。

私自身は、カメラに映っている側なので

自分との格闘をしているため暑さも感じなかったのですが

撮影クルーのみなさんにただただ申し訳なく思ってしまいました

そしてそれが顔に出てダメダメな映像になってしまったり・・・

女優さんってすごいんですね(涙)

でも私は女優ではないんです・・・

目の前にいる人が苦しんでいるのを見てると

「早く終わらせなきゃ」と焦ってしまい

結果使えない映像になる

その時ディレクターさんに言われた「この映像を見てもらいたい人に話しかけて」

という言葉どおりに、いろいろと悩んでいた大切な友達を思い浮かべながら

撮影を何度か続け、

カメラマンさんとディレクターさんが、顔を見合わせ「よし」と

いうタイミング

私には

私にはわからなかったタイミングで少し悔しかった


どーにか使える映像が撮れた時にはすでに音声さんとカメラマンさんは

疲れ果てていたのにこのあとには、大瀬崎灯台へ移動です・・・!

大瀬崎灯台は映画の舞台にもなった場所として

紹介されることも多い場所ですが

映画の舞台だったから人がそこを訪れるというわけではないかと思います。

もう何年も前の映画ですので・・・

でもここ、私はとても好きな場所です。


大瀬崎灯台は、展望台から眺めることもできるので

灯台麓まで行かれない方も多いのですが

ぜひ行ってほしい場所・・・

なんというかこの白い灯台のフォルムの可愛らしさと

崖ぷっちの荒々しさのコントラスト

青い海と緑の芝生のコントラスト

いろいろ素敵な場所です。

くだりは、20分ほど。

木々から優しいこぼれ日がさす中、灯台目指して進みました。


灯台麓付近では、私の撮影は特に予定されていなかったので1人

いろいろ歩き回って自分の撮影に没頭。

撮影クルーのみなさんはすごい断崖絶壁の方へスタスタ行っちゃいました。


わー怖そうー

と思っていたら


よばれた。

撮影している私を撮影するカメラマンさん。


その時に撮れた写真。

白波立っている荒々しい波が

打ち付ける岸壁。

普段、ここまで行くことができるという発想がなかったので

違う一面を見ることができました。

一刻一刻と暮れ始める大瀬崎。

カメラマンさんは夕日の撮影にターゲットを絞り始めました。

私はこの時、まさか大瀬崎を降ると思っていなかったので

服装もスカートでしたし、クルーのみなさんのように

身軽に動けないのが悔しかった。


素敵な映像を取るために、

足場が不安定な場所でもどんどん進んでいく。

置いていかれる。

この時、久々に置いていかれるのが怖いと思いました。

決してみなさん、距離的な意味で置いてくことは無いのですが。

さくさくっと歩いていくカメラマンさんや音声さん

若干私を気にしつつも前を行くディレクターさん

むぅ。

悔しかった。

私はカメラマンでもなんでも無いのですが、

プロが見ている世界をその場で感じたかったんじゃないでしょうか。

違う味方が見えるかもしれないって。

結果、そこまでいけなかった。

けれど、近くで

この置いていかれる恐怖を感じることができたのは

よかったのかもしれません。

この日は結局、夕焼けを見てから駐車場へと戻りました。

行き(下り)は最後尾をえっちらおっちら歩いていた私。

登りは得意。

転ぶ必要がないから。

そんなにきつい道のりではないと思っていたのですが

思いの外、撮影クルーのみなさんは辛そうでした。

物理的にカメラやその他いろいろ持ち物もありますしね・・・

駐車場についた時にはすでにあたりは真っ暗でした。

翌日は朝、4時起きだな・・・なんて思いながら

大瀬崎がある玉之浦から福江島中心街の福江地区へ。

この日は結局帰宅できたのは22時ごろ。ちょろっと仕事もあったので

睡眠不足のまま翌日の撮影へ。

でも翌日の撮影は、これもまた印象にのこる撮影となりました。

いよいよ、桃源紀行についてももう、残り1〜2回で書き終わるかなと思います。

本当に

忘れたくないことをひたすら言葉に綴ること。

これだけで約1ヶ月かけてしまいました。

あと少しだけ

頑張ろうと思います。

・・・


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