te to baができるずっと前。
この場所は、普通の民家であり、その一角で
鰹節を売っていたそう。
地島さんがやっているカネチという屋号のお店だったと。
ここがかつお節屋さんだったことをリアルタイムで知っているお客さんに会うと
自然と嬉しくなってしまいます。
親族から詳しいことを聞けばよいだけの話かもしれませんが
周りからどんな存在だったのかとても知りたくて。
あるお客さんは小さい頃、おつかいで鰹節を買いに来て、
余ったお釣りで飴を購入した覚えがあるとか
あるお客さんは、削り節の良い匂いがしたとか。
いろんな人の記憶を聞いて、ここはきっと当時こんな感じだったのかなと
妄想を膨らませています。
当時も、ここで本枯節がまるまる売られていたのでしょう。
残されていたショーケースには値段のメモが貼ってありました。
そのセロハンテープのあとは今も消えないまま、
te to baでも店頭ディスプレイ用のショーケースにしています。
ここで削ってもらったり、そのまま買って帰って家で削るのが自分の役目だったという人もいました。削りたての鰹節はいい匂いがして、そのまま食べてしまってたとか。
そんなことを聞いてたら、削りたての鰹節、自分で削ってみたくなってしまって
9月に東京へ戻った時、料理道具の店が並ぶ河童橋にて、削り器を買ってきてしまいました。
いいお値段はしたけれど、削りたての削り節を生でみてみたかった。
音を聞いてみたかったんです。しゅっしゅってきっといい音がするんだろうな。
いい匂いもするんだろうな。
ってあれよあれよと、早くも12月。
まだ一度も使われていない鰹節の削り器。
早くつかいたいんですけどね。
お正月に使おうかななんて思っています。
削ってもらっている花かつおで
お出汁をとる日々はまだしばらく続きそうです。
十分これでも良い匂いで幸せ。