​©te to ba <手と場> 2018

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失われゆく日本の手仕事を


新年

明けましておめでとうございます。

昨年オープンいたしましたte to ba。

もうすぐ丸1年を迎えます。

本当に色々な方々に支えていただいたおかげで無事に年を越し、

新たな気持ちで、te to baの2年目も迎えようとしているところです。

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年末の最終営業日、待ちに待った小包がお店に届きました。

それは、

新上五島町の奈良尾港すぐそばにある

小さな畳屋さん、大崎たたみ店からの小包でした。

小包の中にはオーダーしていた小さな畳が2枚。

そして畳の縁(へり)で作られたカードケースたち。

と、サンプルや、おまけでしょうか。オーダーよりもさらに小さな畳などいろいろと詰まっていました。

開けた瞬間になんというか、すぐにでも店頭に並べなくては!と

使命感に駆られせっせと年内最後の営業日であったにも関わらず

せっせとお品出ししました。

大崎たたみ店さんは、12月上旬に出張で新上五島へ行った際、

突然伺ったにも関わらず嫌な顔一つせず向かい入れてくださった

大崎一さんが営む畳屋さんです。



もともと畳屋さんは一さんのお父さんがやっていたお店。

長男だったこともあり、勤めていた会社を辞めて、島に戻り継承したそう。

都会では最近こそ、リバイバルなのか、"畳のある家"や"日本風な家"の流行りからか、

畳が再注目されている気がするものの、

マンションには畳の家がなかったりするなど、 「畳離れ」を感じます。

特に子どもたちの中には、畳で過ごしたことがない子がいたりもするのでしょう。

大崎さん曰く、島はまだまだ昔の家が多いので畳がそんなに減っているわけではないけれど

島そのものの人口が減っているので畳屋さん自体も減ったのは事実だとか。

日本全体を通して見れば、消えゆく存在の畳。

畳の上にごろんと横になり

お昼寝をして夕方に起きると顔に畳の跡が付いている・・・

なーんて、幸せな夏の風物詩・・・という感覚があるにも関わらず、

痛んだり、張り替えたりの面倒さからフローリングや、絨毯の家が増えている。

確かに私の実家(マンション)も、畳の部屋は1室。それ以外は全部フローリング。

でも、なんとなく

落ち着く畳の部屋。

畳を張り替えたばかりの"い草"の匂いや、

畳の上に寝転んだ時の安心感。

こういったなんとも口に表せない良さを畳は持っている。

それが消えゆく運命なのはとっても悲しいことです。

私がte to ba<手と場>でもっともやりたいことの一つが

日本の消えゆく手仕事を伝えていくこと。

まだまだ全然できていないことだからこそ、

新上五島の大崎さんのことを知った時に

ぜひ何かte to baでできることを思い、

思い切って大崎さんを訪ねたのです。

大崎さんは、畳の縁(へり)を使ってカードケースをはじめとする様々な小物を作っていらっしゃいます。


畳の縁(へり)というと、無地の濃い青か、濃い緑を思い浮かべませんか。

今は、椿の柄やねこの柄、寿司ネタの柄、ディズニー、キティちゃんまで!

その種類、なんと1000種以上だとか。

大崎さんは日本一の生産地、岡山県倉敷市から取り寄せた数多の縁を組み合わせ、

カードケースなどに加工しています。


ずらっと並ぶ畳の縁。生地屋さんに行くと大興奮して1時間は出てこれないのと同じ感覚に陥りました。

無限に広がる妄想。

これで何を作ったら楽しいかしら。

なんて、妄想がふくらむふくらむ。

大崎さんは、普段畳の表替えや、新築のお家への畳作りなどの傍、

カードケースなどの小物を作っているそう。


作業風景を写真撮らせてくださいとお願いすると

「ちょっと待ってて」

と。

そして、身にまとったのがこちら。


I love Tatamiの文字の入った上着です。

なんともチャーミングな大崎さんにぴったり。

そして、うん、わかる。

と共感。

みんな日本人なら畳、好きだよね。

と。

大崎さんはどちらかといえば畳業界の未来を按じてというより

島の未来のために「何か面白いことをしよう」と

この畳の縁を使った商品の販売をしたのではないでしょうか。

大崎さんの作る商品にはほとんど「Sin-Kamigoto」の文字が入っています。

でも、これは私の個人的な想いですが、

新上五島のお土産というより、

日本の

made in Japanの素敵な商品。

そしてこれから先、新上五島の商品というより

日本の「大崎たたみ店」の商品として売り出して行ってほしいと感じました。

なんというか、これこそ

失われゆく日本の手仕事を

現代に沿った形で残す方法ではありませんか。

他にもたくさんあると思うんです。

失われゆく日本の手仕事。

鍛冶屋や、桶屋、船大工・・・

そういったものたちって、

いつか私たちが歴史の教科書にのるぐらい後まで残していくには

この便利になった世の中にでも

必要とされる新しい何かを掛け合わせてその手仕事を残していくことで、

その手仕事本来の仕事にも

興味が湧いてくるのではないでしょうか。

実際、新しく家に畳を入れることがあったら大崎さんにお願いしたい!と思った私です。

だってこんなに新しい縁(へり)があるなんて知らなかった!

壁を変えるのは大変だけど、畳の表替えは、数年に1度はやりたいこと。

その都度、縁(へり)で遊べるなんて〜。

妄想が膨らむ。

大崎さんはカードケース以外にも、

通帳ケースやティッシュケース、診察券入れ(たくさん入るカードケースみたいなもの)そして、お財布まで作っていらっしゃいました。

本業の傍なのに、すごい創作意欲。

そして、更には

地元の中五島高校の生徒さんとコラボし、中五島高校オリジナルデザインの

縁まで制作。


正直、上五島に対する愛がなければ、ここまでできないと思います。

大崎さんのお人柄からも、その愛は伝わってくるのも事実。

だからこそ、私は、「新上五島のお土産です!」というより

「大崎一さんが作った世界に一つだけの畳の縁(へり)でできた商品です!」と

売り込んでいきたいな・・・と感じています。

大崎さんの手仕事を感じて

畳に興味を持つ人や

日本の手仕事に興味を持つ人が増えてくれると思うから。

ひとまずte to baには、

ポケットやカバンに入り、毎日持ち歩けるカードケースを置かせてもらっています。

今後もずっと大崎さんとはおつきあいさせていただきながら、展開する商品を増やしていけたらと思っています。


笑顔が素敵な大崎さん

ありがとうございました〜。

これからもよろしくお願いします!