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  • 執筆者の写真te to ba <手と場>

共存  <桃源紀行 no.6>


・・・

10月に放送予定のNHK BS プレミアム 桃源紀行のロケを通じて経験させてもらったこと

改めて知ることができたことを私なりに少しづつまとめています。

ディレクターさんが必死に今編集しています。

私の中でも全く終わっておらず。

むしろ放送日までに自分自身の振り返りが終わらなければ

ずっともやっとしてしまう気がするので、

記憶のまだ新しいうちに備忘録を完成させたいです。

・・・

3日目には以前こちらのブログでも紹介した

空海さんの名付けたお寺、「明星院」に行ってきました。

昨今、日本遺産にも認定された話題の場所でもありますが

やはり民家を抜けて、田んぼ道の奥に急に現れる明星院の姿は美しいです。

特に8月の後半から今頃は、

青々とした稲穂が風に揺られています。


明星院については先日のブログでお写真もたくさん紹介したので

お写真はいろいろ割愛しますが、 ご住職のに面白いお話をたくさんしていただきました。

お寺の中にある貴重な仏様のお話だけでなく

五島人の気質についてなども。

キリスト教が迫害されていた時代、

隠れて暮らすにも限度があります。

どうやって暮らしていたのだろうというお話になったとき、

「みんな家族がいるんですよ。

隠れキリシタンの方にも家族や親戚いたはずです。

宗教をこえて、そういった絆で助け合っていた人がいたはずです。」

そんなことをおっしゃってもらいました。

このお話のとき、私はメモをとっておらずただひたすらお話をお聞きしていたので

曖昧な表現になってしまいましたがとても胸に刺さりました。

また、五島の方は新しいものを受け入れる。

だから移住者のような人でも受け入れてくれる。

それからじっくりその人を見ていく。

そんなお話をしていて自身も受け入れてもらったなとようやく感じるからこそ

裏切るようなことはしたくないと思っています。

地域の方々は見ていてくれるから。

ここにいるとみんなが誰かの知り合いであるが故に

道で声をかけたりすることが当たり前のようになっています。

逆に私のように知らない人がひょっこり入ってくると

「どこから来たと〜?」と声をかけてくれる。

「頑張ってるね。」

「最近全然来んやん!!どうしたん?!」

こんな言葉をくれる人々もたくさんできました。

都会にいると人が多いのであんまり他人のしていることに気づくことができないかもしれませんが

ここでは、私のような人間でもちょっとしたことで気づいてくれる人がいっぱいいます。

住職のお話を聞きながらそんなことを思い返していました。

幸せなことだよな〜と。

そのあとは三井楽のステンドグラス工房へ

もともと自分でステンドグラスを作りたい!と何度か通っており、

お世話になっているオーナーの濱崎さんと今までしたことのなかったお話をしてきました。

お父さんの話

もともと仏教徒だった濱崎さん。

ご主人がキリスト教徒だったため、結婚式は貝津教会で挙げたとのこと。

結婚式の時のお写真を見せていただきました。

そこで印象に残るのが濱崎さんのお父様のお話。

お父様は娘さんをまさか宗教の違うご家庭に嫁に出すと思っていなかったとのことで

天を見つめて泣いている姿が写されていました。

そのあとお父さんは集合写真を撮るときにはすでに帰宅済み!

よっぽどお嫁にやりたくなかったのでしょうね。

濱崎さんは、現在はクリスチャンに改宗されています。

お子さんも含めて家族がみんなクリスチャンでひとり仲間はずれのような気分にもなり寂しかったとのこと。

私自身、結婚した相手が外国人であり、熱心な方ではないもののクリスチャンです。

自身は、仏教徒。

濱崎さんのお話は他人事ではありませんでした。

今はまだ、早いかもしれませんがふっと、「お墓ってどうなるんだろう・・・」

なんて考えたらこのままで良いのかな?

子どもはどうするの?

夫の母は、宗教の違いについてなど全く言及することなく

私たちの入籍を許してくれたのですが、

やはりこれから先の未来で、どうしていくか考えていく上で濱崎さんのお話は、ズンっと重いものがありました。

濱崎さんが改宗したきっかけは、やはり家族で1人だけ違う宗教を信じていることで

疎外感を感じたこと、そして将来のことを考えたからとのことです。

しかし、その後、濱崎さんは偶然なのか必然なのか

ステンドグラスを今の工房で習い、引き継いで行くことになりました。

そして、三井楽教会のステンドグラスの制作を頼まれたことをきっかけに

ステンドグラスに描かれているカニの絵についてシスターから教えてもらったそう。

フランシスコザビエルが日本にキリスト教を伝来する際、2度カニに助けられているとのこと。

そういったことを知らなかった濱崎さん。

ステンドグラスの魅力にどっぷりはまっていた中で、作り手として、もっと意味を知りたいと勉強するようになったそう。

そしてそのステンドグラスの魅力と共に、キリスト教への理解を深め熱心な信者さんに。

濱崎さんにもう一度改宗した理由を聞くと

「神様はね、優しいよ」

と、優しく答えてくれました。

宗教というものはどうしてもお話するのがタブーなお話と

あまり深く聞くことができませんでしたが

何かを信じ祈る姿は美しいことはどんな宗教でも共通しているのでしょう。

もちろん人を殺めることなどを正当化する宗教は、

宗教でないと考えたいものですが。

濱崎さんとはこのロケをきっかけにさらに近くなることができたと思います。

もう一度自分自身の揺れている心などを整理するためにも

お話に行こうと思います。

もちろん、ステンドグラスを作りにも。

ちなみにte to baの大切な場所にもステンドグラスをはめ込みます。

散々悩み、濱崎さんに相談してお勧めしてもらったステンドグラスです。

そちらの様子もまた別のブログでお話できたら嬉しいです。

最後の写真は、濱崎さんが作られた三井楽教会のステンドグラス。

カニさんの上に描かれているのはきっとフランシスコザビエルと、

濱崎さんが教えてくれました。


工房に写真も飾られていますが、ぜひ実物を見てもらいたいです。

では、また続きは明日以降・・・

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