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  • 執筆者の写真te to ba <手と場>

大漁を祝い、安全を祈る 大漁旗

確実に前に進まなければと、

久々に、創作活動を始めました。


昨日、SNSで発言した言葉に多くの方からレスポンスをいただき

大変ありがたいのと、みなさんとても不安に思っていることがわかりさらに、

当店の営業方法を検討していかなければいけないと強く思いました。


現在は、宿とイベント(ウェディング)業は当面休業としながら、

飲食店を、換気しやすく広々とした座席配置に変えるなどできることを工夫しながら

なんとか営業をしている状態です。


当店はなかなかテイクアウトができるようなお料理が少なく、さらに福江島の富江町という小さな町にあるので、わざわざお店に来て、ゆっくりするというのを目的にしてくださった方が多く、テイクアウトしていただくのも・・・と悩みどころです。


でも、悩んでばかりもいられません。


大漁旗を使って小物製作を始めています。



当店にお越しいただいたことのある方は、

当店のあちこちに大漁旗があることにお気づきかと思います。

ここ、五島列島富江町も昔は鯨漁やカツオ漁でとても栄えた港町でした。だからこの町には大漁旗がよく似合う。そう思い、オープン当初から、当店のアイコンとしても大漁旗をたくさん使っていました。


< 大漁旗を使用したクッションカバー >


大漁旗とは、漁に出た漁船が、大漁で帰港する際に船上に掲げて大漁を示し、祝う旗のことです。

新船が初めて海に触れる、進水式の際に親族や関係者の方々がお祝いとして送るのが習わし。大漁だけでなく安全なども祈って贈っていたといいます。


カラフルなデザインは海上からでもよく目立つようにということからきているとする説と、出産祝いや子供の初節句に飾り旗や祝い旗(祝旗)として家に飾って縁起を担ぐ目的で派手な色彩や大胆な構図で描かれることが多いという説があるとのこと。


一般的に大漁旗には、船の名前が記され、さらに「大漁」「祝 大漁」などの文字、日の出や鯛、恵比寿さん、宝船などの縁起の良い絵柄などが描かれています。


ここ、五島列島富江町も漁が盛んな港町。

昔は今とは比べものにならない数の船が波止場に止まっていて、度々進水式も行われ、この大漁旗が掲げられていました。

大漁旗は、船の名前を入れて染め上げることから、全て1点もの。全く同じものはありません。


te to ba <手と場> がお店になる前、ここは鰹節屋さんでした。鰹節の原材料となるカツオが盛んにとれていたこともあり、ここ、te to baに住んでいた人も漁に出ていたため、たくさんの大漁旗が残されていました。その大漁旗を使い、店頭のクッションカバーを作ったり、のれんを作りました。





地元の方々はもちろん目にしたことがある方ばかりですが、懐かしがってくださったり喜んでくださったりします。


今はいらっしゃいませんが、

島外からの方からはよく「販売していませんか?」とお声かけいただいていました。

ずっとやりたいと思っていたのですが、なかなかできなかったのでこの機会に、と少しづつですが、作り始めています。

もともと洋裁学校に通っており、アパレル企業で勤めていました。

とはいえ、te to ba<手と場>をオープンしてからミシンを触る機会がほとんど減ってしまっていました。そのため、ミシンを進めているとちょっとゆがんでしまったり。


それでも久々に手を動かし始めると、とっても新鮮で、ハサミで生地を切る感覚やミシンの音が心地よく、とても癒されることに気づかされました。




今ではなかなか手に入らなくなってしまった大漁旗。また、贈った人のお名前と贈られた人の船の名前が書いてあったりとハサミをいれるのに少しだけ躊躇しつつ、大切に大切に使っていきます。

なるべくハギレを出さないようにカットしているので、様々な形の小物ができあがりそうです。





まず作ったのはトートバッグ。

これからさらにいろいろな小物を作ろうと思います。





今は、新船の進水式があるなんてことは滅多なことで聞かなくなりました。そのため、大漁旗を贈る素敵な文化も消え去ろうとしています。


今使っている大漁旗は当店のデッドストック。

シミや洗いを繰り返したことによる色褪せなどもありますが、そのまま使用しています。


小物がある程度揃い次第、ブログから販売を開始していこうと思いますので、興味のある方はぜひ引き続きブログをご確認いただければ嬉しいです。


家に眠っている大漁旗がある方もぜひご一報いただければ・・・と思います。


どうぞよろしくお願いします。






(m)

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