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  • 執筆者の写真te to ba <手と場>

「芋はまんだかな」 中秋の名月の夜

更新日:10月1日

中秋の名月、まんまるのお月様がここ五島でも見ることができました。明るい一夜でした。

te to ba <手と場>のある富江では、そんな子どもたちが大喜びするユニークな風習が残っています。

te to ba <手と場>がオープンする前にも一度、ブログに書いたことがあるのですが、改めて。

過去の記事はこちら

満月のこの日、朝から

幼稚園〜小学生ぐらいのお子さんたちはそわそわしています。

そして、学校が終わった途端に大きな大きなバッグを持って町中に繰り出します。



(1人ゆで卵食べてる・・・!)

合言葉は

「まんだかな〜」

いろいろなご家庭を周り、玄関を開けて

「まんだかな〜」「まんだかな〜」

すると、「どうぞどうぞ」と

お家の方が出てきてくださり、なんとお菓子を配ってくれるんです!



そう、まるでハロウィーン。

五島列島の中でもここ、富江だけの風習でずっと昔、私の母(65歳)が子どもだった頃もやっていたそうです。

<「ありがとう」を忘れないお子さんたち、かわいいです。>



もともとは、さつまいもを蒸したものを各家で配っていたとのこと。


当時は「芋はまんだかな〜?」(芋はまだ〜?)


と子どもたちは叫びながら各家を訪れていたようです。

今のように駄菓子などが豊富にない時代、子どもたちにとっては

さつまいもが甘いご馳走だったのでしょう。

その名残で

「(芋は)まんだかな〜?」という言葉が残っています。

今はさつまいもではなく、各家々駄菓子や飲み物を用意しているところが多いようです。


te to ba <手と場>にきてくれたお子さんたちにもほんの少しだけ

お菓子、配りました。




一部は手づくり、一部は市販のお菓子で笑

あとお泊まりいただいたお客様からいただいたたくさんのお菓子など。


早い子だと、16時前から動き出しますが大体17時ぐらいがピークの時間。

普段は、人が少ない通りにたくさんの子どもたちの姿が。


何人かのお子さんについていくとお家の中からでてきた近所のおばあちゃんにお話を聞くことができました。





おばあちゃんは、自分の子どもたちもよそのお家でお菓子をたくさんもらってきたから、毎年準備しているとのこと。

毎年、3箱ぐらいのお菓子を準備するけどすぐ無くなっちゃう。

でも「まんだかな〜」という声を聞くと「今年も元気で子どもたちと会えた」と嬉しくなる

そんなお話をしてくださいました。




お菓子を用意するのも結構な金額になります。

けれど、毎年準備するのは、お互いの子どもさんやお孫さんが行き来していたり

自分自身が楽しんだ思い出があるから。

そして、ご先祖たちが続けてきてくれたから。



世代を超えたご近所同士のつながり、なんだか素敵ですよね。

子どもたちだけでなく各家々の方も喜んでいて心が温かくなったのと同時に

来年は、te to ba <手と場>でも、もっとたくさん用意しようと思いました。



こんなニコニコ笑顔で喜ばれたら準備する方も嬉しくなります。



袋にいっぱいのお菓子。


次第に町には大きな袋をパンパンにして歩く子どもたちが増えてきました。



「ここの家もらえたよ!!」

「ここ、ゆで卵配ってる!」

こんな情報交換の声も聞こえてきます。



普段より子どもさんの声がたくさん聞こえる富江の中秋の名月。

ご近所同士のつながり、人と人のつながりを感じるあたたかい町だからこそ

続けられる風習だと思います。

いつまでも残っていてほしいと思う風習です。





来年もまた、待ってるね!!

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