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執筆者の写真te to ba <手と場>

お母さんお父さんと呼びたい人たち<桃源紀行no.7>


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10月に放送予定のNHK BS プレミアム 桃源紀行のロケを通じて経験させてもらったこと

改めて知ることができたことを私なりに少しづつまとめています。

本当にたくさんのことを経験したのにすでに忘れかけていて・・・

苦しいです。でもまだ、思い出せるうちに、

備忘録を完成させたいです。

・・・

この日も朝早くからの撮影でした。

朝と夜が混じり合う瞬間の色味がとっても綺麗。

写真でみるとまた違った美しさがあるなぁと、1ヶ月近くたった今

改めて思っています。


待ってたのはこの人。


福江島、奥浦地区(堂崎教会のある地区)に住んでいる

平山久利さん。

民泊事業を通してたくさんお世話になっています。

久利さんは平日に仕掛けた網を翌朝引いて、釣れた魚を普段は市場に出すのですが

この日は日曜日。

じつは私が平日の夕方に網を仕掛けているのを「魚を取りに行っている」と勘違いして

この撮影前々日に撮影クルーを連れていってしまったので、

気を利かせて日曜日に引きに行けるよう仕掛けてくれたのでした。

本当に・・・ご迷惑ばかりかけております。

久利さんとは仲良くさせてもらっていますが、漁に出ているのを見るのは初めてでした。

そして帰ってきた久利さんの船に乗り込んで、魚を見せてもらいました。

船からは大きな朝日が見えました。


久利さんが捕まえてきてくた魚を真剣に撮影してくださるカメラマンさんと、

その音を聞き漏らすまいと必死な音声さん。


船が止まっている船着場のすぐ近くにまで

小魚はいっぱいです。


釣った魚は、船の上である程度下処理をしてくれました。

「うみごい」と五島の人たちが呼んでいて、

正式名がわからないお魚とクロ。

このうみごい、フライにして食べるととても

ふわふわで美味しかったです。

船の上で取った内臓などは、海へ戻せば小魚たちが食べてくれます。


素早い手つきでどんどんさばいてくれ

この魚をわたしは預かり、奥さんの多美さんの待つご自宅へ向かいました。

船を降りてふと太陽をみるともうこんなに高いところに。


朝がきました。

奥さんの多美さんもまた移住をしてから大変お世話になっています。

実の母よりよくお話をするかもしれません。

(母、ごめんなさい)

この日もお魚を一緒に調理し、一緒に畑でシソをもぎったり

オクラを収穫したりしながら

久利さんが帰ってくるまでにちょっと豪華な朝ごはん準備をしました。

最初に平山さんご夫婦と仲良くなったきっかけも思い返せば2年前に

とある番組が民泊の特集をするというので、

その撮影のお手伝いをしたことだった気がします。

今回は私自身もカメラに映る側で

少し緊張しつつもやっぱりここでも普段聞けない言葉を聞くことができました。

ここから先、写真でのご紹介ができないのが残念ですが、

備忘録として自分自身のためにも残したいと思います。

食事をしながら、移住者である私を受け入れてくれた久利さん・多美さんに

率直に「よそもんが〜と思いませんでしたか?」と聞いてみました。

すると、

「いんや〜思わんかったね。娘みたいなもんやしね〜。

まあ親も五島やし親近感はわいとったもんね。

それに『ひさばん』なんて大したもんだ」

と。

『ひさばん』というのは、久利さんのこと。

みんなが「ひさばん」と呼ぶのです。

だから私もお酒の席とかでは「ひさば〜ん」と呼んだりしていました。

そしてこの撮影の時も「ひさばん」と自然に出てきました。

〜ばんというのは目上の方を「アニキ」というような想いを込めて使う五島弁です。

この〜ばんという呼び方、私はとっても好きなのですが

なかなか呼ぶことができていなかったりしました。

けれどいろんなお話をして、この日はお酒も飲んでいないのに

「ひさばん」という言葉が自然と出てくるようになっていました。

それをすかさず、ちょっと嬉しそうな顔で伝えてくれて

私も嬉しかったです。

奥さんの多美さんも「自分の娘とおんなじくらいだもんね〜楽しいもん。いつでもおいで」と言ってくれます。

どれだけ今までご飯をご馳走になったかわかりません。

どれだけたくさんのおすそ分けをいただいたかわかりません。

そして私自身が何を返せたのか・・・

これから先もずっと繋がっていたいご夫婦です。

そしてゆっくりいろいろ恩返しできたらと思います。

写真もないのにだらだらと長くなっていますが、

カメラが回っていないところで、ちょっと面白い話を聞きました。

この地区のお墓にまつわる話。

なんと、夫婦別で入るとのこと。

仲が悪い夫婦というわけではありません。

誰しもがこの地域では昔から夫婦は別のお墓に入るのが風習のようです。

このお話は撮影後の撮影クルーも含めたお食事タイムでお話した話なので、

あまり深く掘り下げることができなかったので

また改めていろいろお聞きし、調べていけたらと思っています。

さて、この日は私はこの後、和太鼓の演奏があり一旦撮影からは離れました。

そして夕方にも太鼓の演奏がありそちらには撮影も入っていただきました。

ボロボロでしたが・・・。

そして次の日からは一旦福江島を離れ、

上五島に向かいました。

上五島での出来事は今回の旅では、

本当に大きな大きな出来事となりました。

それはまた次のブログにて。

では今日はこの辺で。

・・・

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